ハクセンシオマネキ
ハクセンシオマネキ
ハクセンシオマネキ(白扇潮招、学名:Uca lactea lactea)は、エビ目(十脚目)・スナガニ科に分類されるカニの一種。オスの片方の鋏脚が極端に大きい、いわゆるシオマネキの一種で、白っぽい体色が特徴である。
甲長12mm、甲幅18mmほどで、大きさは狭義のシオマネキ(U. arcuata)の半分くらいしかない。甲は長方形に近く、シオマネキより左右の眼柄の間が広い。甲の背面は灰白色の無地、雲状の横しま模様、黒地に白小斑など個体差がある。オスの大鋏は顆粒がなく平滑で白いが、黄白色、灰白色などこちらも若干の個体差がある。
生息域は河口域の満潮線付近、泥まじりのやや堅い砂浜か転石地帯で、日当たりが良いが干潮時にも乾燥せず、また水もかぶらない区域に限られる。このような条件が揃った区域にそれぞれが巣穴を掘り、集団で生活する。この区域に近接して海側にチゴガニ、陸側にアシハラガニが生息することが多い。
巣穴は入り口の直径2cm、深さ20cmほどで、巣穴の周囲にはコメツキガニと同様に砂団子が見られる。近付くと素早く巣穴に逃げこむが、動かずに待っていると数分で姿を現す。
繁殖期は6-8月で、この時期にはオスのウェービングが見られる。白い大きな鋏脚を振り上げる様が白い扇子を振るように見え、和名はここに由来する。メスは交尾後に産卵・抱卵し、幼生を海に放出する。幼生は2-3週間ほど浮遊生活を送り、ゾエア5期、メガロパを経て生息に適した区域に定着する。定着後2年目から繁殖に参加し、寿命は数年ほどとみられる。
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